-
こんばんは。
今日もあなたに会えました。
あなたはいつもそこに居るから、
私は窓を開けるだけで良いの。
-
こんばんは。
窓を開けるのに呪文が要るのを、
あなたは知っているかしら。
自然と出てくる言葉だから、
意識しなくてもあなたに会えるの。
-
こんばんは。
私はあなたを見てるけど、
あなたは私が見えていますか?
あなたは私に会う為の
呪文を唱えてくれていますか?
-
こんばんは。
どんどんあなたは、大きくなるのね。
暖かそうな綺麗な光で、
私を照らしていてください。
私が迷わないように。
私が泣いてしまわないように。
-
こんばんは。
今日は哀しいことがあったの。
あなたなら癒してくれるでしょう?
目をつぶればほら、
あなたに触れることだって出来る。
-
こんばんは。
窓を開けるといつも寒くて、
それでも私はあなたを見たいの。
あなたに触れる為だったら、
凍え死んだって構わないの。
-
こんばんは。
窓を開けても、寒いだけ。
そんなことはわかっているわ。
楽しいことなんて数えるほどで、
嬉しいことなんて数えるほどで、
それでもあなたに会いたいの。
お願いだから、消えないで。
-
どこを探しても、あなたが居ない。
呪文を間違えるはずなんてないわ。
会いたい。会いたい。あなたに会いたい。
何度唱えても、あなたは居ない。
-
ママみたいにお星さまになれば、
あなたの近くに行けるのかしら。
あなたは時々、とても大きく見えるけど、
5ユーロの星より小さいの。
いくら手を伸ばしたって、届かないのは知っているのよ。
もうどうにもならないってことも、本当は知っているのよ。
それでも私は期待してしまうの。
だってほら、あなたはまたそうやって、
細い顔を見せるでしょう?
-
展示風景