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ねこのアンディちゃんは、とってもきれいな女の子。
ちょっぴり頑固で、さみしがり屋さんです。
うさぎのモニカちゃんは、とってもやさしい女の子。
しっかり者で、アンディちゃんのことが大好きです。
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ずっといっしょにいようね。
そう約束していたのに、
モニカちゃんは 遠くへ 行ってしまうことに なりました。
ずっといっしょにいたかった。
でも、ふたりには どうしようも ありませんでした。
てがみ、かくよ。
モニカちゃんがそう言うと、
アンディちゃんに すこしだけ、笑顔がもどりました。
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約束通り、お手紙はちゃんと届きました。
新しい生活のこと。
新しい友達のこと。
今まで知らなかった、たくさんのこと。
モニカちゃんの手紙は、楽しさに あふれていました。
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アンディちゃんは、さっそくお返事を書くことにしました。
お日さまが きらきらしていて きれいだったこと。
新しいお花が 咲いていたこと。
虹が出たこと。
ピーマンを食べれるようになったこと。
書きたいことは、たくさんありました。
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ねえ、ほんとはね、あいたいよ。
そう言いたかったけど、言えませんでした。
言ってしまったら、モニカちゃんを困らせてしまうと思ったからです。
あいたい。あって、てをつないで、おはなしして、
ずっといっしょにいて、あのくもきれいだね、なんていって、
わらって、いっしょにごはんをたべて、
ついこの間まで当たり前にあったことが、
今ではとてもとても遠いことで、
アンディちゃんは涙が止まりませんでした。
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だいすきな、お魚も ミルクも、
今は全然おいしくなくなってしまいました。
モニカちゃんは、わたしに あいたくないのかなあ?
アンディちゃんはこんなに苦しんでいるのに、
モニカちゃんは何も言ってくれません。
どうして あいたいって いってくれないの?
アンディちゃんの悲しい気持ちは、
だんだん悔しい気持ちに変わっていきました。
真っ黒になった気持ちを吐き出すように、
真っ黒な手紙を出してしまいました。
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いきおいだけで出してしまった手紙。
アンディちゃんは、後悔していました。
響くノックの音。
アンディちゃんがドアを開けると、
そこにはいちばん会いたかった子が立っていました。
ごめんね、ごめんね。
わたしも あいたかったよ。
ほんとはね、ずっとずっと、あいたかったんだよ。
モニカちゃんは涙をこらえながら、必死で言葉をつむぎます。
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悔しさは涙に変わり、笑顔に変わりました。
言いたいことは たくさんたくさんあったけど、
もうこの言葉しか、出てきませんでした。
ありがとう。ほんとにね、だいすきだよ。