mou

takase aya

FOR YOU

作画
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  1. あたらしい世界は眩しくて、私の胸は高鳴り始める。
    希望に満ち溢れた目に映るものは
    全てが新鮮で、少しだけ不安だった。
  2. 理解しているつもりだった。
    私はまだまだ未完成で、何者でもない。
    何者にもなれる、まっしろな存在なんだと。
  3. 我慢なんてしなくても、自然と寝食を忘れてしまう。
    盲目的に課題をこなす日々。
    ただ私は、早く上手くなりたいだけなんだ。
  4. トモダチって、どういう基準なんだろう。
    子供の頃は普通に居た「親友」。
    彼女たちとの距離と、今の友達との距離の差は、どれくらい?
  5. うだるような暑さの中、疲れ果てて荷物を置いた。
    座り込んで、ひとつずつ整理する。
    要るものと、要らないもの。要るけど今は忘れておくもの。
    アスファルトに汗が染み込むのを、ぼんやりした意識で確認した。
    まだまだ重い荷物を持って、休む間もなく歩き始める。
  6. 出来上がった課題への達成感。
    空を見上げて、煙を吐いた。
    遠くで鳥の鳴き声が聞こえた。
    居場所ができた、気がした。
  7. ありえないほど、綺麗な色。
    想像もつかないような、面白い構成。
    さっきまで笑い合っていた友達が、急に知らない人になる。
    周りが見えれば見えるほど、劣等感で吐きそうだった。
  8. 絵を描き始めて、何年経っただろう。
    私が筆を持ち続ける理由。
    ほら、新しい色が溢れ出してくる。
  9. てのひらからこぼれ落ちて、気が付いたらここに居た。
    足元の水たまりは深く、私をつかんで離さない。
    もう少ししたら抜け出すから、もう少しだけ、待っててね。
  10. 夜道に白い息が溶ける。冷たい風が頬を撫でる。
    何者でもなかった私は、自分だけの世界を見付けた。
    今夜は迷わず帰れるだろう。月が照らしてくれているから。
  11. 過去と違って、未来は創っていけるから、
    私はいつまでも夢を見て、大切な人と手をつなぐ。
    今がいつまでも続くように、つないだ手が離れないように、
    今出来ることを挙げていったら、意外と簡単なことだった。
  12. 積み木をひとつずつ積み上げていくように、
    たくさんの傷があって、たくさんの涙があった。
    今思い出すのは、きみの笑顔
    きみが思い出すのは、私の笑顔
  13. たからものをリュックに詰めて、私はまた、歩き出す。
    未来へ続く、未知なる道
    光でかすんで、先は見えない。
  14. つもの自分の絵に、
    つもと違う文章がのせられてゆくのが
    ても新鮮で楽しかったです。
    っともっと、描きたいものがふえました。
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    だ毎日を生き抜くだけで精一杯だった私は、
    ったいないほどに、自分のことばかりでした。
    タイアしてしまったけど、最後に創れて嬉しかったです。
    hiuna.(高瀬彩)